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サンプル 問題と解説

Have you known what to know and learned what you should? If so, mastering English is a matter of a few years, if not of months. But is this the case with your English prospects? The truth is, you cannot even make a master plan for mastering English. Why?

英語オンライン講座 ハイテク英語第1道場」の各ユニットは「問題と解説」と「ハイライト」で構成。この「サンプル」は1ユニット分のサンプルです。

サンプル「問題と解説」のテーマ: 英文を書き英語を解するライティング
サンプル「ハイライト」のテーマ : 英文を読み英語を解するリーディング
「ハイライト」の中のハイライト : 読解技術で読む作文技術

 英語は「文法プラス技法」のことば――この新しい、英語の本質の認識が英語学習に革命レベルの進歩進化をもたらす出発点となる。

 このサンプルは、この新しい「認識」に立脚した新しい英語学習のサンプル。

 英語を「実際的に深く、深く実際的」に学習、「ネイティブの域」に達した英語学習とはこういうものだ――のサンプル。

問  題
和文英訳
Q 以下の文を英訳しなさい。
成功の鍵は意志力にある。
誤り訂正
Q 以下の英文に誤りがあれば訂正しなさい。

Now Picciolini, who left the neo-Nazi movement in 1995, is using his experiences to help others who have fallen under the influence of extremism—foreign fighters returning from the ISIS heartlands. ”My story is no different from somebody who flew to Syria,“ he says.

出典: TIME 2017年2月27日、3月6日合併号 p. 36

書き換え

Q 以下の2文が同義となるよう、空所に適語を1語ずつ補いなさい。

  1. I advise doing what you are most passionate about.
    (あなたにとって一番情熱がわくことをすることです)
  2. (          )  (          ) (          ) to do what you are most passionate about.
和文英訳  解答例
Q 以下の文を英訳しなさい。
成功の鍵は意志力にある。
解答例
初級訳: Will power holds the key to success.
中級訳: In your will power lies the key to success.
上級訳: Key to making a success of yourself is your will power.
和文英訳  解 説

 本講座「和文英訳」のa salient feature(特徴)は問題文のshortness(短いこと)――11語「成功の鍵は意志力にある」をすんなり英訳すると7語The key to success is will power.、ここからライティング展開するとなると、「ごまかし」の通用しないshortness。

  1. Knowledge is power.
     (知識は力なり)
  2. ? Power is knowledge.
     (力は知識なり)

 Knowledge is power. イギリスの哲学者フランシス・ベーコン(Francis Bacon)の名言も、逆は必ずしも真ならず――Power is knowledge.はbacon and eggs(ベーコンエッグ)をあべこべにしたeggs and baconより食えない戯言。しかしA is B.の逆B is A.も真であるc.かd.かの二者択一の鍵は表現的優劣にありますね。

  1. The key to success is will power.
     (成功の鍵は意志力)
  2. Will power is the key to success.
     (意志力は成功の鍵)

 「the key to+名詞句」は主語(c.)より補語(d.)が一般的に座りがよいのは「the key to+名詞句」が「頭でっかち主語」になりがちだから、「体裁」より「強調」と言うことなら文尾will power(c.)は文頭will power(d.)より強意――ですから、以下2文では頭でっかちのe.よりthe key to healthy agingを主語にしたf.のほうがいいに決まっています。

  1. Finding a fitness routine that can last a lifetime is the key to healthy aging.
  2. The key to healthy aging is finding a fitness routine that can last a lifetime.
     (健康的に年をとる鍵は、日課として一生涯持続可能な健康増進法を見出すことである)

 ここで、動詞句の補語(本文ではfinding...a lifetimeの動名詞句)は一般に動名詞句よりto不定詞句のほうが座りがよいというライティングの常識を持ち出すと、f.の動名詞句をto不定詞句で置換したg.。

  1. The key to healthy aging is to find a fitness routine that can last a lifetime.

 でも問題文「成功の鍵は意志力にある」の主語は「成功の鍵」だから英訳文の主語もthe key to successでないと――こんなコチコチ頭になっている方々には、「東西南北」のcardinal points(基本方位)は「NSEW」と東西の違いを想起いただき是非の「白黒」を「black and white」で決めていただきましょう。そこですんなり訳すと、

  1. Will power is the key to success.

 それでもテストだったら――確かに、コチコチ頭の採点官もいらっしゃるでしょうからBetter safe than sorry.(転ばぬ先の杖)、テストでこの問題文をすんなり訳すと、

  1. The key to success is will power.

 ですがこの問題文は「成功の鍵は意志力である」ではなく「成功の鍵は意志力にある」、「…である」でなく「…にある」ですから、厳密に訳すなら確立した表現形式「the key lies+inの前置詞句」に訴えることになりますよ。

  1. The key to success lies in will power.

Q1 h.文の体裁を整えなさい。

 とはどういう意味かわかりますか。h.文の体裁が悪いということでなく、h.をさらに体裁のよい文にするということですが、それはどういう意味でしょうか。文の中央にある動詞liesに注目、このliesの左右の釣り合いを整えることが、ここでの「体裁を整える」こと――バランスは微妙にとれているほど見事、今h.文の天秤は左に傾いていますから、will powerに1語yourを冠して左右の重みを釣り合わせます。

  1. The key to success lies in your will power.

ここでもう1語ownを加えると、今度はh.文の天秤は右に傾いてしまいますね。

  1. The key to success lies in your own will power.
A

in will power → in your will power で体裁(ここでは釣り合い)を整えたi.文。

 一般に「A lies in B」型で、Aとin Bの重み(語句の長さ)がほぼ等しいという条件を満たすと、中央1語の動詞liesを支点に左右を逆転する派手な表現展開がとても効果的、するとi.はk.に様変わり。

  1. In your will power lies the key to success.

ご覧の通りthe key to successは主語でも文末に位置することも可能――ですが、問題文を「意志力が成功の鍵を握っている」と解釈しS+V+Oの文型でbe動詞ではなく他動詞holdを用いて力強くl.と表現したら、

S|V|O
l. Will power holdsthe key to success.

will powerが文末にくる変形(transformation: 意味が変わらず形態が変わること)展開は可能でしょうか。もちろん動詞holdsを受動態(passive voice)に変えればl.文はwill power文末のm.文に変わりますが、こんなふうに無やみに受身にすると、表現自体がpassive(活気のない)になってしまいますね。

  1. The key to success is held by will power.

Q2 変形テクニックを用いて、l.文の表現を強め高めることでwill powerが文末にくるようにしなさい。

 分裂文(cleft sentence)型の強調構文(emphatic construction)を用いるのですが、行き方は2つ。

  1. It...thatの強調構文に変形
  1. It is will power that holds the key to success.
  1. whatの強調構文に変形
  1. What holds the key to success is will power.
A

 will powerが文末にくる、l.文を強調構文に変形したo.文。

 S+V+Oの能動文の形態をWhat holds the key to success(Whatはholdsの主語、what節はisの主語、o.文はS[What holds the key to success]+V[is]+C[will power])に留めたまま本来の主語will powerは文末――こんな奇想天外な表現展開を、こんな構文展開の離れ業をやってのける「変形」こそ英語の頭の中枢なのです。換言すれば、変形という文法上の仕組を表現力発揮の技法として活用応用する――これが英語の頭のよさ、ですから英語の頭のよさがわかっていない英語学習は頭の悪い英語学習ということになりますよ。

 でもo.文は頭でっかちの不体裁な文ではないのか――と、あなたは一長一短と思うかもしれませんが、「主語の頭でっかちは頭の悪い文」と決めつける石頭も感心しません。強調構文はそも表現的にでっかい顔をした文ですから、少々の頭でっかちは気になりません。

Q3 以下の英文を文法的に説明しなさい。

  1. Key to making a success of yourself is your will power.

 ここには1つの謎と1つの疑問点がありますね。

: 文頭Keyはなぜ無冠詞?
疑問点: isの主語は何?

 主語はKey to making a success of yourselfか、それともyour will powerか――your will powerとすればp.は倒置(inversion: 主語と述語動詞の語順逆転)文になります。この謎と疑問点は密接な関係にあり、謎を解くことは疑問点を解くことになり、疑問点を解けば謎も解ける仕組――この仕組は文法にありますから、謎解きに入る前にまずこの仕組を確認しておきましょう。

Q4 以下2文の補語(something of a miracle、very rare)を強調しなさい。

  1. His comeback was something of a miracle.
    (彼の復帰は奇蹟的なことであった)
  2. A comeback like his is very rare.
    (彼のような復帰はとても珍しい)

 「強調」と聞くや、It...thatの強調構文と結びつけてしまう短絡思考に走ると、文法のヒューズが飛ぶ短絡(short circuit)を起こしますよ。補語はIt...thatの強調構文で強調できません。s.とt.は非文法。

  1. *It was something of a miracle that his comeback was.
  2. *It is very rare that a comeback like his is.

A

  1. Something of a miracle his comeback was.
  2. Very rare is a comeback like his.

正解はu.、v.、「名詞句補語を文頭+倒置」のw.と「形容詞句補語を文頭、しかし倒置せず」のx.は非文法――形容詞補語を主語の前に出して倒置しない表現形式が感嘆文(How rare such a comeback is!)ですね。

  1. *Something of a miracle was his comeback.
  2. *Very rare a comeback like his is.
(注1) *印は非文法を示す。

 Key to making a success of yourselfを主語と考えると、なぜkeyに定冠詞theをつけたThe key to making a success of yourselfと表現しないのか、無冠詞Keyの説明がつきません。Key to making a success of yourselfを形容詞句で補語と捉えると、your will powerが主語でp.はy.から倒置変形で生成したことになり、文法論理が通ります。

  1. Your will power is key to making a success of yourself.

ですが、そうだとするとkeyは名詞ではなく形容詞になりますね。形容詞keyが名詞を修飾する限定用法(attributive use)は一般的――日本語の「キーワード」はa key word、keyをvery important(とても重要な)、fundamental(基本的な)の意味でa key industry(基幹産業)、a key point(重要点)のように使うのは一般的、問題文を形容詞key活用でz.と英訳するのも一考。

  1. Will power plays a key role in bringing about success.
    (意志力は成功をもたらす上でとても大切な役割を果たす)

ですが、叙述用法(predicative use)で補語として機能する形容詞keyを知っているノンネイティブは稀ですね。ましてやこのkeyに導かれた形容詞句を文頭に立てて倒置という表現テクニックを知っている方は――the keyのtheを落としてkeyを形容詞感覚で使う、この鋭い表現感覚、その上で「key to+名詞句」を文頭に位置づけ倒置、この豊かな表現的独創力、これが英語の表現力であり、英語の頭ですよ。無冠詞key toに続く名詞句は動名詞句のような重たい名詞句で、例えばsuccess1語ではfailure(失敗)、これは鋭い構造感覚、aa.は半可通な英語。

  1. ?Key to success is will power.

 key to successではなく、イディオムmake a success of oneself(成功者になる)を起用しkey to making a success of yourselfと表現を重たくして文頭に置いたp.文を「頭でっかち」呼ばわりするのは見当違いですよ。文体裁を一般に悪くするのは「主語の頭でっかち」で、文頭に重たい語句を配置するのは不体裁ということではないのです。

 「和文英訳」の解答例として3文を選び、「初級訳」「中級訳」「上級訳」と等級づけましたが、初→中→上級訳と表現レベルが高くなるということで、初級訳が中·上級訳より「下手」という意味ではありません。文章という「自然環境」の中で簡潔で力強い「初級訳」が一番生きることもあるでしょう、ですが中·上級訳は賞味できる味な文、こんな1文が1つのパラグラフ全体の引き立て役になるのは間違いなし。

初級訳: l. Will power holds the key to success.
中級訳: k. In your will power lies the key to success.
上級訳: p. Key to making a success of yourself is your will power.
誤り訂正  解 答
Q 以下の英文に誤りがあれば訂正しなさい。

Now Picciolini, who left the neo-Nazi movement in 1995, is using his experiences to help others who have fallen under the influence of extremism—foreign fighters returning from the ISIS heartlands. ”My story is no different from somebody who flew to Syria,“ he says. 出典: TIME 2017年2月27日、3月6日合併号 p. 36

A
誤り箇所: ”My story is no different from somebody who flew to Syria,“ he says.
訂正文1: ”My story is no different from that of somebody who flew to Syria,“ he says.
訂正文2: ”Mine is no different from the story of somebody who flew to Syria,“ he says.
原文全訳: 1995年にネオナチ運動から去り、今やピッチョリーニは自分の経験を活かし過激主義に感化された人たちを、ISISの本拠地から帰還した外人戦士たち(の社会復帰)を助けている。「私の体験はシリアに飛んだ連中となんら変わるところはない」と彼は語る。
誤り訂正  解 説

 my story「人生談」とsomebody「誰かさん」ではscreamingly differentでno differentであるわけがない、異質で比べようもなく「不調和な」を意味する英語はincongruous――比較できないものを比べたincongruityがこの「誤り訂正」のungrammaticality(非文法性)。

 もし問題文が以下のa.文だったら、

  1. *My story is no different from somebody.

 a.→b.→c.と、somebody → somebody's story → somebody's(独立所有格)と進んで訂正完了。

  1. My story is no different from somebody's story.
  2. My story is no different from somebody's.

 この程度ならいわゆる「英作」レベルの英文の大学入試レベルの誤り訂正――しかし実際は、そこは英語の自然界、多様、変化、応用の自然環境で参考書や学習書の単純単調で型にはまった人口環境とは全く違うシチュエーションなのです。c.文の後に関係代名詞節がくるとどうなる? もちろんd.文になりますが、「訂正完了」は終了、ここから「誤り訂正」が再出発!

  1. My story is no different from somebody's who flew to Syria.

 「英作」では英語の自然界に入っていけない、「自然界」に溶け込むためにはライティングである必要があり、ここからの誤り訂正はライティングのレベル――まずライティングと「英作」の違いをはっきりさせておきましょう。


■  ライティングの学習&教育の起点  ■

 ライティングライティング力の5つの要点:

ライティング力とは「文章力」のことであり、ライティングは、言うまでもなく、ただの英作文(文法&語法上誤りのない英文を作成すること)とは違う。「和文英訳」レベルの英文を100文、1000文連ねてもライティングにはなっていないのだ。

英文ライティングでまず第一に知るべきことは、ネイティブのライティングの英文と「英作」レベルの英文では、英文の質が全く違うということ。

次に知るべきことは、ライティングに初級も中級もない、英文ライティングはネイティブ級のみ、ということ。

「英文の質が全く違う」&「ネイティブ級のみ」に立脚しないと、ライティングのサービス(ライティング課程/講座/添削指導)はつかみどころのない「まねごと」「ままごと」「たわごと」になってしまう。

ライティングの学習&教育は英語の学習&教育の絶頂であり、まずその確かな起点を確立、確保する必要がある。

 グローバル化21世紀インターネット時代、コミュニケーションの主役はメール――こんな時代にモノを言うのがライティング力であることは自明、ライティング抜きでは21世紀の英語教育になっていないのも自明――しかし世の英語教育は、「ライティング」と「英作」の違いさえ全然わかっていない20世紀のまま。

 ですから「起点」はまず両者の違いをはっきり認識することになりますね。

 ライティング力の7要素:

  • 文法力
  • 技法応用力
  • 表現感覚
  • 構造感覚
  • 文法感覚
  • 文法&技法レベルの句読運用力
  • 語彙&イディオム力

 「英作」力の3要素:

  • 文法力
  • 文法レベルの句読運用力
  • 語彙&イディオム力

 文法力とは生得の言語能力を英語の文法ルール·体系の中で発現発揮させる能力ですが、特にライティングでは必要に応じ、必要なだけ複雑な文構造をきちんと組み立てることができるだけの文法力が必要になります。

 技法応用力とは表現効果を高めるために個々の技法を活用できる能力と、技法それ自体を応用展開できる能力です。

 表現感覚とは表現の表情を感じとり、読みとる能力であり、構造感覚とは表現の重い·軽いの重量感覚、簡潔·冗長の締り感覚、語句の釣り合いや配列のバランス感覚、文体裁を整える構成感覚のことです。

 文法界は白と黒(非文法)で割り切っても、ライティングの領域は白と灰色と黒の3色で文法を把握することになります。黒と灰色を識別し、灰色の持ち味を正しく評価できる能力が文法感覚です。

 ライティング力の7要素を発揮して英文を作成するのがライティング――ライティングの英文と「英作」の英文は同じ英文でもscreamingly different、まるで違うのです。

 d.は文法的に正しいのか、e.は非文法ではないのか?

  1. somebody's who flew to Syria

 関係代名詞whoの先行詞(antecedent)はsomebody'sのsomebodyでsomebody's(somebody's story)ではない――形容詞節who flew to Syriaは独立所有格somebody'sの基部somebodyを修飾、そんなことが文法上可能なのか?

 と問い、その文法性を考察するのは文法感覚

 まず第一に英語には部分修飾(partial modification)なるものが確かにある。

  1. an early bird (早起きの人)
  2. an early riser (早起きの人)

 an early birdのearlyはbirdを修飾、一方an early riserのearlyはriser全体にかかるのではなく、an early riser = one who rises earlyでriser(rise+er)のriseを修飾する部分修飾。

 ちなみに「遅起きの人」はlate riserでこのlateも部分修飾、early birdのbirdを特定するとlark(ヒバリ/早起きの人)、「夜更かしの人」をトリでいけばnight owl、ヒトでいけばnight person、その反対のヒトはmorning person(朝型の人)――なんてちょっぴり愛想をだすことはあっても、語彙&イディオム力の育成は学習者個人の習慣の問題、英語の原文は英語で読む習慣の確立が鍵。

Q1 以下の名詞句を2通りに解釈しなさい。

  1. a criminal lawyer

A

  • criminalはlawyerを修飾: 罪を犯した弁護士。
  • criminalは部分修飾: 専門が刑法(criminal law)の弁護士。

 ですからwho節がsomebody'sのsomebodyを部分修飾するsomebody's who flew to Syriaを非文法と決めつけることはできないわけですが、問題はなぜそんな「部分」的行き方を敢えてする必要があるのか、そこが「白」一色になりきらない灰色の領域――「灰色」は文法力に訴えてe.→i.→j.と変形すれば「純白」に変わります。

  1. somebody's who flew to Syria
  2. the story of somebody who flew to Syria
  3. that of somebody who flew to Syria

 新たな問題は、この「純白」には汚点があること――この汚点を感知するのは表現感覚

 同じ代名詞thatでも単独のthatと、that of somebodyのような前置詞句に後置修飾されたthatやthat which existsのような関係詞節を従えたthatではthatの表情が違います。関係代名詞whatの強調形式that whichはとても表情が硬くて気安く使えない表現ですが、that which existsはたった3語ながら存在感がありますね。

  1. what exists (存在するもの)
  2. that which exists (存在するもの)

 that of somebodyの硬い表情のthatとくだけたsomebodyの組み合わせは、my storyとsomebodyのような文法レベルのはなはだしいincongruityではないものの、ネクタイ、背広にゴム草履のincongruityでやはり「不調和」――そこが「汚点」。

 だったら.e→i.→j.と進まず、e.→i. the story of somebodyでいけばよい、でもそうは問屋が卸さない。

  1. ?My story is no different from the story of somebody who flew to Syria.

 2つ目のstoryを代名詞に置き換えないMy story、the story of somebodyの組み合わせは文法レベルの「不自然」――代名詞を使わず同語句をそのまま反復する技法レベルの手法はありますが、それは特別な表現効果を狙ってのこと、m.は英語らしからぬ英語で「黒っぽい灰色」。

 例えばo.は一目で「まっ黒」――使うべき代名詞を使わないだけでかくもやりきれない英語ができ上がるのです。

  1. That's why Bill and his friends set up a workshop of their own.
    (そんなわけでビルと彼の友達は自分たちの研修会を立ち上げたのであった)
  2. *That's why Bill and Bill's friends set up a workshop of Bill and Bill's friends' own.

 「灰色」も「汚点」も「黒っぽい灰色」も乗り越えた表現的「卓越」で決めたいのなら、ここ一番は技法応用力の出番。

 構造感覚の働きはいろいろありますが、文構造の要所である文頭で技をかける感覚も文法感覚――文頭に活を入れ文全体を活性化させる技法はいろいろありますが、ここで使う技法は私が「単独トップ」と命名した、文頭1語の際立ちで文全体を引き立てる手法。

 the story of somebodyのthe storyをthatに代えるのではなく、My storyをMineに変形するm.→p.の表現展開。

  1. Mine is no different from the story of somebody who flew to Syria.

 「単独トップ」を務める1語は「目立つ」必要があります。目立ち方はいろいろありますが、「個性的」もその1つ――独立所有格は所有代名詞(possessive pronoun)とも呼びますが、代名詞はそれが照応する先行詞の後にあるもの、先行詞を先行した単独トップの独立所有格は個性的。

 「個性的」と言えば、「副詞no+原級形容詞」のno differentも個性的――副詞noはno sooner...than(・・・するとすぐ)、no longer(もう・・・ではない)のイディオムでおなじみの「副詞no+比較級」の組み合わせで使うもの、形容詞の原級(positive degree)とペアを組むものではありませんね。

Q2 no differentに文法の裏付けはあるのか?

 こんなユニークな問題提起もTMシステムの個性――こんな個性的な問を投げつけると、これは慣用表現で英語はこうなっているんだから理屈抜きで受け入れるしかない、なんて平凡な逃げ口上が返ってくるのでしょうが、その一方では「英語は論理的な言語」、つまり文法論理がきちんと通ることばということになっている。

■  一味違う灰色different  ■

 副詞very、muchは言語学でいう相補関係(complementary relation)にある。一般に副詞は形容詞と副詞と動詞を修飾するが、veryは形容詞、副詞、muchは動詞を修飾し、very niceで*much niceではない。しかし比較級はmuchでveryではなく、much nicerで*very nicerではない。

  • 「白」のdifferent: very different。
  • 「灰色」のdifferent: much different。

 さらに、

  • 「白」のdifferent: different from。
  • 「灰色」のdifferent: different than。

 クリントン大統領の演説の中にdifferent thanが出てきて、アメリカ大統領もdifferent thanと言うことがあるのかと感慨深く思ったことがある。

 そこにno differentとくれば比較級の三つ揃い(much different、different than、no different)。

 differentの2色:

白色different: 普通の原級の形容詞。
灰色different: 比較級扱いの形容詞。

 differentの比較級感覚は常識でわかること、difference(違い)は比較することで生じるもの――differentを形態的に比較級と見誤るはずがないから、ここに文法感覚が働いていることは自明。

 1音節の短いnoと3音節の長いdifferent、no differentは表現感覚にアピールするきりっと引き締まった表情――no differentはそのアピール力ですでに漂「白」されているので、is no different → is not at all differentと訂正する必要はない。

 英語は文法プラス技法のことば、多才で多彩、灰色differentから純白のno differentを咲かす。

 原文のfromをthanに代えると以下。

”My story is no different than somebody who flew to Syria,“ he says.

 my storyとsomebodyの「不調和」には灰色がかったthanが「調和」する、と感じるのは表現感覚。

 ここまで解説できるのはプロ、ここまで解説するのはプロのperfectionism(完全主義)――TMシステムプロの英語教育、プロの英語教育とアマの英語教育ではscreamingly different。

 個性的な単独トップの1語Mineで個性的な 2語no differentも際立ってくる――「個性的」は表現感覚、「際立ってくる」は構造感覚、Mine is no differentは表現インパクト。

Q3 以下の英文は正しいか?

  1. Things are no better than two years ago.
    (事態は2年前より少しも好転していない)

 things「事態」とtwo years ago「2年前」では比較の対象にならないincongruous、ですがここでは時の副詞nowと時の副詞句two years agoの比較、つまりr.→q.、q.はr.のnow省略で生成した文。

  1. Things are no better now than two years ago.

 しかしアマの英語教育ではs.→q.、q.文にはthey wereが省略されていると教えるところ。

  1. Things are no better than they were two years ago.

プロの教え: now省略、than以下には省略語句はない。
アマの教え: they were省略、thanまでには省略語句はない。

 There's a reason for everything. (諺: すべてのことに理由がある)と言いますが、私たちが英語の比較表現に弱いことにも理由はあるのです。何年やっても英語がマスターできないことにも、英語教育が半世紀以上ちっとも進歩していないことにも理由はあるのです。

 私たちの英語学習には土台がない、だから英語学習が積み上がっていかない、積み上がらないから英語学習は非常に非効率になってしまう――私たちの英語教育には土台がない、だからアマの英語教育なのです。「あまい」「あいまい」は「アマ」の常――だから私たちの英語学習は常に甘くてあいまいなのです。

 ライティングという英語習得の究極の領域は「アマ」と無関係、にもかかわらず世に「ライティング講座」あり、大学にも「ライティング」と名のつく講座あり――「アマ」がライティング領域まであいまい化するのを防止するという意味もこめて、私は「ライティングの学習&教育の起点」なるライティングの土台をここに据えたのです。

 本来、ライティング講座はネイティブ、あるいはネイティブ並に英語をマスターしている人がライティング力を研くためのもので、「英作」レベルの英文を文法レベルで正しく作成するのにも四苦八苦するノンネイティブは無関係――表現感覚&構造感覚が未発達であるということは英文の「うまい」「へた」がわからないということだからネイティブの添削指導も効を奏さないのです。

 ネイティブの添削というだけで私たちは「正解」のように受けとめてしまうのですが、ライティングに「正解」があるわけがなく、同一英文を10人のネイティブに添削させたら10通りに添削されて返ってくるわけ――表現感覚&構造感覚がないとなにがなんだかわからなくなってしまうわけ。

 文法は半可通、技法は無知、3感覚(文法&表現&構造感覚)は無感覚――それでもライティング力がモノを言う21世紀に英語の翼を広げ、はばたこうというのなら、「プロ」でいく時。

 「英語の文法と技法の全容」を知識的に教えるだけでなく、「実際的に深く、深く実際的」教えることで文法力を伸ばし、技法応用力を開発し、3感覚を研磨し、英語完全習得のプロセスの中でライティング力を育成していく――これが高度なライティング力を確実に実現できる唯一現実的な英語学習、これがプロの英語教育。

 さて「ライティング力の7要素」の解説にピリオドを打つのは文法&技法レベルの句読運用力――t.のコンマは文法レベルの句読、t.→u.→v.と表現展開したv.のコロン(:)は技法レベルの句読、t.→u.は強調展開、u.→v.は簡潔強調の手法、さてさてコロンという句読はそれ自体に表情がありますね。コロン活用で表現が簡潔になるだけでなく、コロン自体が表現アクセント。

  1. As a result, your English skills can be no different from those of a native speaker of English.
  2. The result is that your English skills can be no different from those of a native speaker of English.
  3. The result: your English skills can be no different from those of a native speaker of English.

その結果、あなたの英語力はネイティブとなんら変わらなくなりえるのです。


書き換え  解 答

Q 以下の2文が同義となるよう、空所に適語を1語ずつ補いなさい。

  1. I advise doing what you are most passionate about.
    (あなたにとって一番情熱がわくことをすることです)
  2. (          )  (          ) (          ) to do what you are most passionate about.

A
b1. I advise you to do what you are most passionate about.
b2. My advice is to do what you are most passionate about.
書き換え  解 説

 文法レベルの「書き換え」なら、

b1. I advise you to do what you are most passionate about.

 技法レベルの「書き換え」なら、

b2. My advice is to do what you are most passionate about.

 文法プラス技法の英語の「書き換え」に文法レベルと技法レベルの書き換えは至極当然の話、でも本当のお話はここから。

  1. My advice is for you to do what you are most passionate about.

 what(関係代名詞what自体は前置詞aboutの目的語、what節全体はdoの目的語)節の主語がyouであることから、to doのdoの主語もyouと了解の上でfor youを省略したのがb2.、ですがfor youを省略しMy adviceの後にto youを付加するc.→d.の表現展開も可能。

  1. My advice to you is to do what you are most passionate about.

Q1 b2.のMy adviceを強調しなさい。

 強調構文(emphatic construction)だけで40以上ある英語の強調法はちょっとやそっとで語り尽くせるものではありませんが、「表現を重たくする」のは強調の基本手法。

  1. The advice I offer is to do what you are most passionate about.
  2. The advice I offer you is to do what you are most passionate about.
  3. The advice I offer to you is to do what you are most passionate about.

Q2 b2.のto不定詞句(補語)を強調しなさい。

 代名詞(pronoun)のような無表情で淡泊なお味の代物でも英語はプラス技法で調理しますよ。ここでは代名詞thisを活用するテクニック。

A

  1. My advice is this: to do what you are most passionate about.

 to不定詞句はthisの同格語(appositive)、これは同格語を活用する反復強調テクニック。重たくなった文末に呼応、文頭も少し重た目にfine-tune「微調整する」と完成度の高いfineな英文、d.の主語でh.の主語をすげ替えましょう。

  1. My advice to you is this: to do what you are most passionate about.

 b1.をwhat型の分裂文(cleft sentence)で強調展開すると、

  1. What I advise you to do is do what you are most passionate about.
  2. What I advise is for you to do what you are most passionate about.

 ここでは分裂文の解説は抜きにさせていただきますよ(本講座Unit4で腰を据えてお話することですから)。

 文法レベルでもう1文追加するなら目的語that節のl.。

  1. I advise (you) that you do what you are most passionate about.

 技法レベルでthat節を強調するとm.。

  1. What I advise is that you do what you are most passionate about.

■ 文法レベルの英語:

a. I advise doing what you are most passionate about.
b1. I advise you to do what you are most passionate about.
l. I advise that you do what you are most passionate about.

■ 技法レベルの英語:

b2. My advice is to do what you are most passionate about.
d. My advice to you is to do what you are most passionate about.
e. The advice I offer is to do what you are most passionate about.
f. The advice I offer you is to do what you are most passionate about.
g. The advice I offer to you is to do what you are most passionate about.
h. My advice is this: to do what you are most passionate about.
i. My advice to you is this: to do what you are most passionate about.
j. What I advise you to do is do what you are most passionate about.
k. What I advise is for you to do what you are most passionate about.
m. What I advise is that you do what you are most passionate about.

 技法抜きで、例えば10文の「技法レベルの英語」抜きで、例えば3文の「文法レベルの英語」で英語習得を語れますか。お話になりませんね。

 言うまでもなく英技法は英語の精華、技法抜きは花見なしの桜。皆さんはずいぶんと味気なく英語を学習してきたわけですよ。


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