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サンプル ハイライト

Mastering English is no mean feat. Even so, our inability to do so even after 10 years of hard work is no laughing matter. Know what to know, and know what there is to know.

英語オンライン講座 ハイテク英語第1道場」の各ユニットは「問題と解説」と「ハイライト」で構成。この「サンプル」は1ユニット分のサンプルです。

サンプル「問題と解説」のテーマ: 英文を書き英語を解するライティング
サンプル「ハイライト」のテーマ : 英文を読み英語を解するリーディング
「ハイライト」の中のハイライト : 読解技術で読む作文技術

あなたがどこのどなたで、どこでどれだけの英語学習を積み、どんな英語歴をお持ちでも、あなたがこれまで体験したことのない洗練を極めた英語学習に、ここで、ご招待いたします。

英語学習がここまで洗練可能なのは、英語自体が高度に洗練したことばだから、と気づいていただくための「サンプル ハイライト」。

 木を見て森を見ず、と言いますが、英語の木を楽しむこともなく英語の森をさまよい、迷子になっている方々が実に多いですね。英語の森の歩き方、楽しみ方がさっぱりわかっていない、なら私が、ひと時、この奥深い森の「奥」も楽しめる味わい深いツァーのガイドを務めましょう。

A saint who is sad is a sad saint.

と語った聖者がいましたが、この文、どういう意味なんでしょうね。

  1. a man who is holy = a holy man (聖人)
  2. a face that is sad = a sad face (悲しげな顔)

 このイコール関係なら「悲しい聖人は悲しい聖人である」になってしまいますね。確かに英語にはA is A.(AはAである)の表現形式があり、例えば、

  1. A promise is a promise.
    (約束は約束だ)

だったら、

  1. A saint who is sad is a saint who is sad.
  2. A sad saint is a sad saint.

 でもそもそも「悲しい聖人」って変な聖人――somber「憂うつな」世間の手前、sober「きまじめな」顔で通していても、聖人とはbeatitude(至福)の状態にある幸せいっぱいの人間――そもそも「悲しい聖人」なんて「えせ聖(ひじり)」、a saint who is sadなんてa fake saint、引用文の真意もここにあり、形容詞sadは限定用法(attributive use)のみでdeplorableの意があり、引用文は以下の意味。

  1. A saint who is sad is a deplorable saint.
    (悲しい聖人は嘆かわしい聖人である)

 同義でもsadをdeplorableに代えると英文はdeplorable degeneration(嘆かわしい変質)――見た目はa saint who is sad → a sad saintの変形で実はそうでない変形を逆手に取った手法の興趣、頭韻(alliteration)を踏むsaint、sadの語尾は無声音[t]とその有声音[d]、saintとsadの矛盾語法(oxymoron)的組み合わせの妙味に精妙な音響、「逆手の変形」プラス「矛盾語法」プラス「音のテクニック」で文法プラス技法の英語の森の気を醸し出すこの英文はa subtle stirring of the spirit of English(英語の精の精妙な生動)。

Q1 以下の6語を全て使って平叙文(declarative sentence)を作りなさい。

have    not    out    we    won    yet

 妙なぐらい易しく見せて少しずつ奥を見せ、英語の本質まで見せる、これは巧妙な手口の「並び換え問題」ですよ。ですから以下の1文でけりがつくわけがないのです。

  1. We have not won out yet.
    (まだ勝ちきってはいない)

 notの直後にyetでnot yetは強意。

  1. We have not yet won out.

 yetを文頭に置くや2文の意外な展開。

  1. Yet we have not won out.
    (だがそれでも勝ち切ってはいない)
  2. *Yet we have not won out.

正しいi.(yetは接続詞)と非文法なj.(yetは副詞)――問題は語順、notはyetより先行させnot...yetで、yet...notは非文法。

 そこでnot先頭、not yet文頭で強く出る、

  1. *Not yet we have won out.

だがそれでも非文法、否定の副詞語句が文頭に立てば倒置(inversion)が文法ルール。

  1. Not yet have we won out.

 これで完答と思いきやnot yetがとれるポジションがいま1つ――主語の直後にnot yet、m.は英語通のおつな表現。

  1. We not yet have won out.

 強調の強さ番づけはnot yetの位置づけで決まります。

  • 1位: Not yet have we won out.
  • 2位: We not yet have won out.
  • 3位: We have not yet won out.

 「6単語で平叙文5文」をどう解釈しますか。

  1. We have not won out yet.
  2. We have not yet won out.
  3. Yet we have not won out.
  4. Not yet have we won out.
  5. We not yet have won out.

「6語5文」で英語を読解すると、英語は自在性のある言語。

 (gender)と(case)の語形変化(inflection)が消滅すると、言語の「性格」はすっかり変わってしまいます。英語は男·女性名詞、男·中·女性名詞の「性差別」代名詞(pronoun)だけにとどめて撤廃、gender equality(男女平等)をいち早くことばの中で実現、格は主格(subjective case)、目的格(objective case)、所有格(possessive case)の3つだけ、主格と目的格の語形変化は代名詞のみと単純化を極限まで推し進めたヨーロッパ語の革命児――文法論理としては格変化が多ければそれだけ語順は自由(例えば主格の「本」と目的格の「本」が違う語形なら、文のどの位置に主格の「本」を置いても目的格の「本」と見誤る恐れなし)になり、格変化が少なければそれだけ語順は不自由になる、ところが英語は最小限の格変化にもかかわらず自在性は健在、この矛盾、この謎を解く鍵は変形(transformation: 意味が変わらず形態が変わること)。

 文頭定位の主語が例えば倒置で助動詞、be動詞の後に移動、特定の倒置では文尾まで移動、例えばthere is構文ではbe動詞の後、例えば能動文の主語もの転換、つまり受動変形(passive transformation)で受動文の文尾に移動――変形のない英語は変形した英語、単調で堅苦しくて生彩を欠く、多彩な技法色の失せたモノトーン(monotone)のことばに変質してしまいますね。英語の格を読解するだけで英語の格式「文法プラス技法」が見えてきます。

「6語5文」の2つの「語順」revelation:

  • 英語は語順に関して鋭い構造感覚を持っている。
  • 英語の語順はnot..yetのnot先行のように文法レベルの語順と、強調のポジションのように技法レベルの語順がある。

Q2 以下の英文に誤りがある、訂正しなさい。

  1. R&D takes time and money, but we have little of both.

 七転び八起き、と言っても起き上がれる前に転んでいる自覚が必要ですね。 誤っていると言われて、はっと気づく方は起き上がれますが、どこが?とくる方は英語の森で転んで倒れたままになっているわけですよ。幸いこのツアーはガイド付き、このガイドが手を貸しましょう。でも右手にしますか、それとも左手――英語は自在性のあることばですから、あの手の訂正も、この手の訂正もありますよ。

訂正1:both → either
littleはnotの意味を有する否定語、ですからnot bothではなくnot either =neither。
訂正文1:
o.R&D takes time nad money, but we have little of either.
訂正2:little → only a little
肯定のa littleにonlyを冠したonly a littleと否定語littleはコインの表と裏のようなもの。
訂正文2:
p.R&D takes time and money, but we have only a little of both.
訳:研究開発には時間と金がかかるが、我々にはどちらもわずかしかない。

 例えばq.→r.、s.→t.、英語の森の変幻自在は変形自在、私たちが英語の否定、否定構文に弱い原因は「変形」が苦手だから。

  1. We have neither of them.
    (私たちはそのどちらも持っていない)
  2. We don't have either of them.
  3. We have none of them.
    (私たちはその1つも持っていない)
  4. We don't have any of them.

Q3 q.文のneither of themを強調しなさい。

 「強調」は技法の領域、文法プラス技法のことばである英語はその自在性を当然のことながら技法の領域でも発揮しますよ。

■ 語句レベルの強調:

  1. We have neither one of them.

■ 構造(変形)レベルの強調:

  1. Neither of them we have.

■ 語句·構造レベルの強調

  1. Neither of them we ever have.

 もしあなたが語句·構造レベルの強調文w.を非文法なx.のneither of themを文頭に移動した形と思っているなら、あなたはすでに転んでいるのです。

  1. *We ever have neither of them.

not ever=never、notはeverより先行、notが前でeverが後、everが前でnotが後は非文法――「英語は語順に関して鋭い構造感覚を持っている」のでしたね。

 ですからw.はq.→v.の変形でneither of themを文頭に移動した上で、not(ここではneither) ever=neverの変形関係を活用し強調語everを付加した二重強調テクニック。

Q4 以下の2文を読解しなさい。

  1. I know when that will happen.
  2. You know when you are doing wrong.

 ここにも「裏」あり、y.は「表だけ」でz.は「裏あり」、表は読解するまでもなく「それがいつ起こるかわかっている」。「裏」なしで「表」だけなら2文は全く同構造、when節は名詞節でknowの目的語。

y. I knowwhen that will happen.
S|V|O
z. You knowwhen you are doing wrong.
(いつ悪いことをしているか自分でわかっている)

 でもこの英文解釈はwrong。なぜ間違っているかと言うと、英語の森のネイティブはz.文をこんな構造、意味で解釈しないから。なぜ「ネイティブはこんな構造、意味で解釈しない」と断言できるのかと言うと、「自動詞know + when副詞節」は確立した表現形式、英語構文のひとつであるからです。英語の森ではまだまだ新しい発見があり、今もって構文(construction)発見という大発見が可能なほど英語の森のスケールは大きいのです。

  1. You know that you are doing wrong when you are doing wrong.
    (直訳: 間違ったことをしているときは、間違ったことをしているのを知っている)

aa.のthat節(他動詞knowの目的語)省略でz.が変形生成。

S|V|M
z. You knowwhen you are doing wrong.
(注) M=modifier(修飾語)。

 省略変形を応用したちょっと味な構文でしょう。どこが「応用」かわかりますね。同一表現の反復により同一の語句·節を省略する場合、「同一表現」は省略のある箇所の前に明示されます。しかしこの構文では省略されたthat節の後のwhen節にthat節と同一の表現が存在するわけです――「前」ではなく「後」、ここがこの構文の味噌、きりっとした簡潔表現でいい味が出ています。ですからwhen節を先行させたぶさいくなab.のような「変態」は通用しません。

  1. ?When you are doing wrong, you know.

when節を先行させるなら、この構文とはお別れ、それでもかっこよく別れるならac.でいきましょう。

  1. When you are doing wrong, you know that you are.

 z.文の訳: 間違ったことをしているときはそれとわかっている。

Q5 以下の文を英訳しなさい。

  • 嘘をついたって、わかるんだから。

 和文英訳はまず和文の解釈から、和文解釈→和文英訳のプロセスには表現的自由という「幅」をもたせますから、Q5の和文を以下2文のように英訳するのも勝手。

  1. You can't fool me with your lies.
    (嘘をついたってだまされませんよ)
  2. Lies don't work with me.
    (私に嘘は通用しませんよ)

 和文の味わいをそのままに、ニュアンスも汲み取ったどんぴしゃりの英訳文となると、それは例の構文――名づけて「know-when構文(know-when construction)」――を活用したaf.文。

  1. I know when you are lying.

これがwhenではなくthatだったら、

  1. I know that you are lying.

これでも「幅」の中に入りますが、I know that you are lying when you are lying. → I know when you are lying.の変形的妙味のあるknow whenは、「表」だけで表現的に薄っぺらいknow thatと一味違いますね。know-when構文のaf.はいわばネイティブの味、つまり英語の醍醐味。

Q6 以下の英文を読解しなさい。

  1. I have an irrepressible desire to tell people when I think I am right.

「表」だけの文ならto不定詞句の構造と文意は以下、しかしこの「表」向きの解釈はネイティブ向きではありませんし、意味もぎこちない。

VIODO
ai.  I have an irrepressible desire to tell people when I think I am right.
  (いつ私は自分が正しいと思うか告げずにはいられないのです)

  (注) IO=indirect object(間接目的語)、DO=direct object(直接目的語)。

 ah.の構造は以下、when節は副詞節でtellを修飾。

VOM
ah.  I have an irrepressible desire to tell people when I think I am right.

 英語は多様、応用、変容を好むことば、ですからknow-when構文にも応用の幅が出て自動詞knowは他動詞tellに変容し、省略部分にも「幅」が出て3通りと多様になります。

  1. I have an irrepressible desire to tell people that I think I am right when I think I am right.
    (自分が正しいと思うときには、自分は正しいと思うと告げずにはいられないのです)
  2. I have an irrepressible desire to tell people that I am right when I think I am right.
    (自分が正しいと思うときには、自分は正しいと告げずにはいられないのです)
  3. I have an irrepressible desire to tell people what I think is right when I think I am right.
    (自分が正しいと思うときには、正しいと思うことを告げずにはいられないのです)

 when節内(I think I am right)がそのままの姿で省略されていると解釈すればaj.文、I am rightの省略と考えるとak.文、省略内容を汲み取ることで自然な、応用的解釈はal.文。

 ah.文の訳: 自分が正しいと思うとき、正しいと思うことを告げずには気が済まないのです。

 確かに、今、あなたは英文読解·解釈の新体験をしていますね。これはあなたが受験、大学、問題集で体験済みのものとは以下3点で本質的に違います。

  1. 解き方、解説の方法、深さがまるで違う。
    その理由: 変形の「裏」を見透し、変形を完全に把握する読解であるから。
  2. 読解の「幅」がまるで違う。
    その理由: 語句·文法レベルの狭い読解でなく、技法的展開も捉えた広範囲な読解であるから。
  3. 英語を教える力とスピリットがまるで違う。
    その理由: 英語マスターを実現可能なものにするためには、新しい知識·技術を積極的に教える必要がある。know-when構文を紹介するのは「サンプル ハイライト」が始めてのこと。しかも軽く触れておくというのではなく、同構文の応用範囲まできちんと示してある。

「まるで違う」のは、今あなたはまるで違う英語学習·教育「TMシステム(The Thorough Mastering System)」で英語を学習しているからなのです。

TMシステム: 英語の文法と技法の全容を実際的に深く、深く実際的に教えきる初の英語習熟教育。

Q7 以下の2文を読解しなさい。

  1. It is sarcasm that arouses anger.
  2. It is a sarcasm that arouses anger.

 似て非なるもの――These two sentences look alike as two peas do, but are as different as chalk from cheese.(この2文はうり二つに見えて、似て非なるもの)。

 見た目の違いは1字、ちっぽけなaの有無、しかしこの不定冠詞ひとつで両文の構造ががらりと変わるとしたら、ひとつ言えることは、英語はとても洗練した言語。

 sarcasmは不可算名詞(uncountable)、不定冠詞aのつかないsarcasmにaがつくなんて英語は皮肉っぽい、ではなくて洗練したことば。

 an.から不定冠詞aを取ってao.にすれば、ao.=am.になるのではなく、非文法になるほど英語は洗練したことばなんですね。

  1. It is a sarcasm that arouses anger.
  2. *It is sarcasm that arouses anger.

 不可算名詞sarcasmになぜ不定冠詞a? 不可算名詞、例えばillnessに形容詞、例えばseriousがつくとaもくっついてa serious illness(重病)になるというようなことは習った筈、抽象名詞(ここではillness)に形容詞がつくと機械的にaがつくわけではありませんが、形容詞が抽象名詞をそのタイプ等に特定化すると不定冠詞aを付加する仕組――さてここでa sad face = a face that is sadを想起、これをa serious illnessにも当てはめるとap.はaq.に変わりますね。

  1. a serious illness
  2. an illness that is serious

しかしaが抜け落ちると文法的に変質し、非文法なar.になってしまいます。

  1. *illness that is serious

と言うことはas.=at.のイコール関係。

  1. a sarcasm that arouses anger
  2. an anger-arousing sarcasm

 an.のa sarcasm that arouses angerを強調するなら、

  1. It is the kind of sarcasm that arouses anger.
    (それは怒りを買うような類の皮肉だ)

 結論、an.の主語Itは前のことを受ける「それ」、一方am.はIt...thatの強調構文。

 am.文の訳: 怒りを買うのは皮肉なのだ。

 an.文の訳: それは怒りを買うような皮肉である。

 aひとつの違いであっと驚く違い、英語はあか抜けした言語なのです。

Q8 以下の2文はどこが違うか。

  1. No risk is greater than that of not intervening.
  2. No intervention is better than an untimely intervention.

 もちろん意味は違いますね。

 av.文の訳: 介入しない危険ほど大きな危険はない。

 aw.文の訳: 時宜を得ない介入より無介入の方がよい。

 ですから介入に対する立場は正反対、でもここは政治上の立場の違いではなく、文法上の違いが問題。

 相違点: av.は否定文(negative)、aw.は肯定文(affirmative sentence)。

 否定語主語の比較構文は強調表現、さらにav.はrisk、that(=the risk)の反復強調手法、2文とも技法レベルの英語、しかしそのレベルに違い。

 技法レベルの違い: av.は文法活用、aw.は文法超越。

否定語主語は否定文、これは英文法の絶対法則、以下2文は共に否定語主語no newsで同義「いいニュースはない」で共に否定文。

  1. No news is good.
  2. There's no news that is good.

 でも、news反復でax.の補語good→good newsなら、とたんに否定文→肯定文の豹変。

No news is good news.
(ことわざ: 便りのないのはよい便り)

 eメールの今日、「便りのないのはよい便り」は時代遅れの感あり、ですがこの諺は「英語は文法を超えてでも表現的可能性を追求することば」という英語からの大切なメッセージとして受けとめてゆくべきもの。

 青は藍より出でて藍より青し、とは青の藍超越――英文法あっての英語、文法あっての技法ながら、英語の森は、「技法の文法超越」という超言語現象に遭遇することもある、the supernatural(超自然なるもの)を内包するnatureなのです。


■  読解技術で読む作文技術  ■

The power which resides in him is new in nature, and none but he knows what that is which he can do, nor does he know until he has tried. 出典: Ralph Waldo Emerson  Self-Reliance

Q
  1. 目を引くin himとin natureのコントラスト、ここに目には見えない何がある?
  2. none but he knows what that is which he can doの文構造は?

 英語の森には名木が無数にあります。「日本100名山」とえり抜くなら「英語100億名文」、「百聞は一見にしかず」なら「百文は一名文にしかず」――名文には名解説、英語の森を知り尽くしている名ガイドの出番。

 andまでは韻とリズムで感性に訴える語句レベルのテクニック、andで変調、変形を駆使した知性に訴える構造レベルのテクニックに転調――軟らかいテクニックと硬いテクニックの共演競演で文全体がハイライト。

語句レベルのテクニック

  • new、in、natureの[n]音連鎖。
  • 弱強格のリズム。
● ・・ ●● ・
Thepowerwhichresidesinhimisnewinnature

 Theは弱、2音節powerは前にアクセントがあり強弱、whichは強、2音節residesのアクセントは後で弱強、inは弱でhimは強、isは弱でnewは強、inは弱、2音節natureのアクセントは前で強弱。従って、弱強弱強弱強弱強弱強弱強弱の繰り返しのリズム(iambic[弱強格])。rhyme(韻)もrhythm(リズム)も「音のテクニック」――目を引くin him、in natureのコントラストの背後に「音」あり。

構造レベルのテクニック

  1. 否定構造でどっしり構える。
    he alone knows をnone but he knowsと否定構造に変え、表現を重たくすると同時に文意を強める。
  2. 外置変形でどっしり構える。
    a. knows what what he can do is
    最初のwhatは疑問代名詞、2つ目のwhatは関係代名詞。
    ・ heは主語,関係代名詞whatはdoの目的語。
    OSV
    whathecan do

    ・ 関係代名詞節what he can doはisの主語。
      疑問代名詞whatはisの補語。
    CSV
    whatwhat he can dois

    ・ 疑問代名詞節what what he can do isはknowsの目的語。
    VO
    knowswhat what he can do is
    a'. knows what that which he can do is
    関係代名詞whatをthat whichに置換変形。
    a''. knows what that is which he can do  (原文)
    外置変形によりthatから分離したwhich節はisの後に移動。
  3. norで変化をつけ、倒置変形で文を重たくする。
    「norで変化」とは、単調なandの繰り返しを避けること。前文が否定文だからnorで接続できる、1.は3.の呼び水になっている。テクニックがテクニックを呼んで、文は自ずと洗練していく。以下のような単調な文では、せっかくの語句レベルのテクニックも水を得ない魚。
    The power which resides in him is new in nature, and he alone knows what he can do and knows when he has tried.
  4. know、triedは変形後の姿。
    nor does he know it until he has tried itのknow it、tried itが自動詞know、triedに変形――強調の位置である文末を、力強く動詞で締め括るのは効果的。軽い代名詞で重厚な文の最後を結ぶのは、スーツにスリッパのちぐはぐ。

 さて、ここで同じ変形テクニックを用い、同じ内容の同じように上質な文を作り出すとしたら、これもハイライト。

  1. that 〜 whichの外置変形。
    b. That power which resides in him is new in nature
    b'. That power is new in nature which resides in him

    whichの先行詞は文頭のThat power。That powerと文を切り出せば、一気に読み手の心をつかんでしまう。実にパワフルなThat power。
  2. 倒置変形。
    c. not until he has tried does he know
    d. only when he has tried does he know

     文頭に否定の副詞やonlyに修飾された副詞句・節 がくると倒置は文法ルール(onlyのつく副詞句の場合、倒置しないこともあるが、これは例外的)。c.、d.に表現的優劣はつけがたいが、対照法の呼び水となるのはd.。
  3. 語句レベルのテクニック:対照法
    • he alone knows what he can do and he knows only when he has tried
      aloneとonlyの意味的類似に着目。
    • only he knows what he can do and he knows only when he has tried
      aloneをonlyに換えonly whenのonlyとコントラスト。
    • only he knows what he can do and only when he has tried does he know
      only when he has triedをand以下の節の先頭に移動させ、only heとのコントラストを強める。only heからhe knowのまとまりをみると、頭がonly he knows、尾がdoes he know、この3語ずつもコントラストをなす。

      (注) 対照法に相当する英語はantithesisとcontrast、ここではcontrast。
  4. 初めのandをセミコロンに代えand反復の単調を破る。
    e. That power...and only he...and only when...
    f. That power...; only he... and only when...

 That powerと力強く文を切り出し、動詞knowで力強く文を結ぶ訳文と原文を比較してみましょう。両者スピリットが息づき、文が生きています。テクニックとは文を生かすテクニック。heを一般に「人」を意味するyouに代え「訳文」完成。

訳文:
That power is new in nature which resides in you; only you know what you can do and only when you have tried do you know.
原文:
The power which resides in him is new in nature, and none but he knows what that is which he can do, nor does he know until he has tried.
訳:
人に宿る力は本来未知である。一体何をやりえるのか自分をおいて他に知る者はなく、また実際にやってみるまでは自分でもわからないのである。

 寄らば大樹の蔭――あなたが英語を学び始めてまだ10年に満たない英語の森のgreenhornでも、あなたがどこのどなたで、どこでどれだけの英語学習を積み、どんな英語歴をお持ちの方でも、このガイドは頼りになりますよ。


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